札幌国際大学様

採択教材

 

スポーツ科学の人材育成のために必修科目の教材として幅広く活用

札幌国際大学 スポーツ人間学部 スポーツ指導学科 小林先生

スポーツとは何か? 学びの導入から専門の紹介まで

■ 今回、1年生の必修科目の講義において教材を活用されたとのことですが、具体的にはどのようにお使いいただいたのでしょうか?

本学のスポーツ人間学部の「スポーツ理論」という授業で使わせていただきました。この科目は、私の所属するスポーツ指導学科の必修科目で、スポーツビジネス学科では選択科目となっており、合わせて110名の学生が履修しました。
1年生の春学期の必修科目ですので、授業の流れとしては、「スポーツとはなんぞや?」という導入から始めます。大学の勉強にはじめて取り組む学生が対象ですので、まずはガイダンスとして『学びのハンドブック』を配布して内容をざっと説明し、いくつかのページを紹介しながら、普段の授業の受け方やレポートへの取り組み方について説明しました。
一方、『スポーツ知への招待』は、より科学的な内容ですので、もう少し後の授業でトレーニングに関して学ぶ際に活用していきます。たとえば、「この冊子の野球の例のように、バイオメカニクスなどについて高学年ではより専門的に学びます」、「スポーツと一口に言っても色々な専門分野があり、3年生でゼミに入ったら、専門分野をより深く学んでいきます」といったことを紹介する予定です。

 

学びのベースになる、「ありそうでなかった」教材

■ 実際に授業に活用いただいた中で、冊子の内容について、率直な感想や改善すべき点などをお聞かせ願えますでしょうか。

「スポーツ理論」の授業でもともと使っていた教科書は、スポーツの歴史から、競技力向上、トレーニング、スポーツ指導まで、幅広い分野が網羅されているのですが、学生にとっては少し専門的すぎるという声もありました。その点で、『学びのハンドブック』や『スポーツ知への招待』は大いに役立っています。教科書を軸にしながらも、より広がりのある内容、且つ学びのベースとして活用させていただいています。
この2冊は、今までありそうでなかった内容ですし、本当にありがたく使わせていただいています。要望どころか、せっかくの教材ですので、こちらがもっと使いこなすためのアプローチを考えていかねばと思っているところです。

 

■ 今後、学習指導の過程において「形成的評価」を設けてプログラムの達成を確認したいとご回答いただいていますが、どのような形で評価をされるご予定でしょうか?

問題自体はまだ作成していないのですが、予定としては、前段でこれらの冊子をどの程度読んだか、参考になったかといった一般的なアンケートを行います。そのうえで、冊子に掲載されているポイントとなる内容をいくつかピックアップし、穴埋め式のような問題で、実際に読んだ、あるいは実践した、ということを確認していこうと考えています。

 

カリキュラムに組み込み、運動部が主体的に推進できる形に

■「運動部を対象としたプログラムの策定が必要」ともご回答いただいていますが、具体的にどのようなことが必要だとお考えでしょうか?

もともと私もUNIVASに携わっていますので、運動部をバックアップしていきたいという思いがあります。ただ、現状、本学の部署は専門的なアスレチックデパートメントや、スポーツアドミニストレーターを配置した部署ではなく、一般的な学生部、大学の学生部に付属している運動部、体育会という位置づけです。そのため、学生部が主体となって進めてほしいと言っても限定的な活動になってしまう面があり、今回は私が学部長の立場として、「隗より始めよ」という気持ちで推進してきました。今後は、学生部あるいは体育会の中で、指導者や顧問を含めてトータルで主体的に推進する文化を育んでいきたいと思います。
また、現状を踏まえた取り組みとして、まずはUNIVASの提供しているプログラムを、任意参加のセミナーなどではなく、単位や授業にしっかり紐付けし、カリキュラムに組み込んで進めていく必要があると思っています。せっかくの教材が宙に浮いた形になってしまうのは、もったいないです。これが今回、授業の中で展開すべきだと考えた出発点でもあります。
UNIVASには、今回の冊子をはじめ、いろいろと素晴らしいコンテンツをWebサイトでもご提供いただいています。ゆくゆくは「UNIVAS提供教材」といった形で、一つの講座なり科目なりとして、スポーツ系の学部学科に限らず、一般教養的なカリキュラムに位置づけていければと。こういった新たな取り組みを推進していくことが、将来的にスポーツ科学の人材育成につながると思っています。

2022年09月27日
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