尚美学園大学様

サッカー部 コーチ
植松 孝博様

採択教材

 

部活動単位での導入、形だけじゃない「大学生としての意識作り」

コロナ禍でのオンラインでの新入生教育に苦慮、部活動単位での導入を決意

■ この教材を導入するきっかけはどのようなことだったのでしょうか。

植松 孝博様(サッカー部 コーチ)

従来の入学前教育では、対面形式になるんですが、大体入学の1、2ヶ月前に、新一年生部員を集めまして、警察署や消防、救急の方をお呼びして、競技に関わるようなことだとか、大学生の身の回りの危険だとか、そういったリスク管理の部分に関して、いろいろ講習の指導をしていました。
でも、今の大学3年生が入学する頃、コロナ禍が始まって、そこから毎年のように新入生の事前指導とかも含めて苦慮しはじめたところがあったんです。オンラインの練習もそうですし、ミーティングも含めて、なかなかうまく伝わらないなっていうのがありました。

教員の方からも、「レポートの書き方がなっていない」っていうところを指摘されたこともありましたし、実際に部活動の中でも色々書くことがあるんですが「ちょっとこれは大学生としては良くないな」っていう文章がいくつか見られたんです。これはさすがに社会に出てから彼らも困ってしまうな、と思いました。まず大学生になる前に、何とかそういった基礎知識だけでも身に付けさせたいと思っていました。

そういった中で、何か教材となるようなものがないかと探していたところ、以前大学の方でUNIVASの研修に参加させていただいた際に、こういった入学前教育教材があるとお知らせいただいて、「レポートとかも含めて色々と大学の教員の方にご指摘されることあるな。そういった方向の指導にも目を向けた方がいいな」と感じました。そこで、「これ大学単位ではなく部活単位でもできるのかな」と思い、UNIVASに問い合わせをさせていただきました。

 

学生にとって取り組みやすい内容。期限前に「読み終わってしまった」という声も

■ 入学前教育プログラムをご利用いただいて、学生様の声はいかがでしたか。

植松 孝博様(サッカー部 コーチ)

コロナ禍で集まる事がなかなかできなかったので、個々に連絡を取りながらLINEのグループやメールのグループを作らせていただいて、その中でこういった教育があるっていう案内をさせてもらいました。

最初は、もっと学生も冷めた感じになるのかなって思ってたんですが、意外とそうではなかったですね。例えば、「スポーツ知への招待」の漫画形式になってる部分は、非常に読みやすいと言っていました。期限のだいぶ前に読み終わってしまったと言われて、「え、もう読んだの!?」ってなったり、逆にみんなと歩調を合わせるために「もう1回振り返って読んでみて」っていう話をしたりしたこともありました。そういった意味では非常に助かりました。

「大学生活 学びのための「読む」「書く」入門」については定期的に結果をフィードバックしていただいたので、その結果もふまえて指摘をしましたし、「ハンドブック」の課題に関してはこちらで回収をしたんですけど、そういった指導を通して、「この課題は形だけじゃないんだな」っていうのが学生は改めてわかったんだと思います。本当に形だけであれば、教材を配って終わりでいいかなっていうところもあると思うんですけど、そうはしなかったので。

学生の中でも、自分から「このページの内容についてなんですけど…」みたいにいろいろ話題を出してきてくれました。そういった部分が、非常に面白かったですね。例えばハンドブックに掲載されている有名選手の体験談であったり、合間の名言であったりもそうなんですが、特に印象的だったのが、大学生になって、高校の部活動と違い、大学では自主的に取り組まなきゃいけないっていうところを意識した子が多かったように見受けられたことです。高校の頃と違って大学では自分で時間割を作ったりとか、それこそプライベートの時間も含めての大学生活になるかと思うので、そういった部分での彼らの活動やリスク管理、うまくオンとオフを組み合わせていくっていうところにも、学生に興味を持ってもらえたというか、多少理解してくれたかな、と思っています。

 

入学前だけでなく入学後も「共通の意識づくり」を目指して

■ これから教材を継続して使っていかれますか。

植松 孝博様(サッカー部 コーチ)

入学後ももちろん大事なんですけども、やはりこういった入学前のところで、大学生としての心得というか、共通の認識が持てるといいかなと思いますので、やはり継続してやっていきたいとは思っております。

こういった活動に関しては他の部活にもちろん伝えていきたいと思いますし、必要なことであるっていう認識がやはりあります。他の指導者の方に関しても、興味を持っていないというよりも知らない情報が結構多いので、そういった部分に関しては共有をさせていただければなと思っております。

■ 今後教材へ何か期待されることはありますか。

植松 孝博様(サッカー部 コーチ)

そうですね。例えば、部員の中で2021年の東京オリンピックで実際に埼玉スタジアムで運営スタッフをやらせた子が何人かいたんです。そういった中でやはり外国人の方と接する機会が多く、ジェスチャーで伝わる部分も結構ありますが、実際に「何を言ってるんだ?」と、ミスコミュニケーションを肌で感じた学生もいたと思います。
今後の彼らの時代を考えていくと、英語に深く入り込むというよりも、日常会話や競技に関する会話はある程度できた方が選択肢も広がるかなと思います。

語学のところに関しては彼らも世界のサッカーを見たりしているので、例えばスペイン語、ポルトガル語、いろんな語学も含めて、全国というよりは共通でやはり英語はある程度喋れるまでできるといいなっていう期待はあります。
また、サッカーに限って言えば、色々なサッカー用語が日常会話でも出ることもありますが、同じ言葉でも意味合いが違った部分をどう伝えられるかとか、そういった部分ですね。

■ 部活の中の言語活動という側面では、どのようなことが重要だとお考えですか。

植松 孝博様(サッカー部 コーチ)

彼らと接していると、なかなか本音の部分を言ってくれなかったりとか、探っていたりとか、相手の顔色を伺ってたりっていうところがリアルに感じられるんです。やはり色々なタイプの子がいます。お互いをまず認め、否定をしないというところから指導しています。そしてその上で、「こういう考えもあるんだな、こういう考えを相手に伝えよう」と考えて、「思ったことをきっちり伝える」ということを指導しています。なるべく相手に対して敵対するっていうよりも、なんか自分の引き出しになるものがあればどんどん吸収してもらいたいと思うので、そういったところを引き続き強化していきたいなと思っています。

2022年06月09日
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