愛知大学様

採択教材

 

スポーツと勉強の両立の動機付けに効果的なテキスト

愛知大学 名古屋学生課: 安井暢彦様 豊橋学生課: 加藤優子様

 

スポーツ支援の強化は大学の大きな課題

■ 名古屋校舎と豊橋校舎の違いを教えていただけますか。

名古屋校舎は5学部で、豊橋校舎は2学部と1短大。学生数でいうと7対3ぐらいの割合になっております。愛知大学は、元々豊橋校舎を拠点にスタートし、2012年に名古屋校舎が名古屋駅近くに移転した際に、豊橋の何割かの学生が名古屋校舎所属となりました。
豊橋校舎は、地域政策学部の中にスポーツに特化した健康・スポーツ政策コースがある関係で、運動部学生の比率が高いです。

 

■ 今回、スポーツ特別入試の方への説明会あるいは学習会という形で行われたという事ですが、これは従前よりあったイベントでしょうか。

これまではございませんでした。運動部の学生は部活がメインで、学業については卒業ができればよいという印象がありました。大学としてのスポーツ支援の強化は、ここ3年ぐらい大きな課題になっております。約半年前にスポーツ支援センターという組織が立ち上がり、この4月の入学生が設立後に初めて受け入れる学生になるということで、4年間で卒業できるように勉強についての支援も必要だということで、まずはスポーツ特別枠の入学生を対象に、動機づけの機会を設けたらどうかという話が出ました。
そこで、勉強とスポーツとの両立への導きに関するイベントを実施しようということになりました。ちょうど良いタイミングでUNIVASからモデル大学再募集の応募のお誘いを頂いたので応募し、4月の1週目の1日や6日にそのイベントを開催することになりました。

 

■ ガイダンスはどのように進められましたか。

名古屋校舎と豊橋校舎はお互いがそれぞれの方針を尊重する文化がありまして、実施方法も違っています。名古屋校舎では私自身が作ったパワーポイントを主にして、適宜『「学び」のハンドブック』や『スポーツ知への招待』を用いて補足するような感じでした。
豊橋校舎では、UNIVASの動画や『「学び」のハンドブック』、『スポーツ知への招待』を比較的そのまま活用せていただきました。豊橋校舎の運動部の協議会の会長で硬式野球部長の地域政策学部教授が講師を務めました。自身が作成したパワーポイントを画面に示しながら、UNIVASからご提供頂いた動画なども流しつつ行いました。コンプライアンスをしっかり守ること、デュアルキャリアで両立する事に重きを置き、とても学生を惹きつける話し方をされていました。スポーツが生活のメインとなっている学生たちかと思っていましたが、27人と少人数ということもあり、かなり集中して聞いていましたし、UNIVASの動画に沿って課したワークにも積極的に取り組んでいました。

 

「大学スポーツ協会が作ったテキスト」という事が効果的

■今回のガイダンスはどういった点で意義があったとお考えでしょうか。

豊橋校舎については、講師がテキストに沿って3週連続でレポート課題を課し、1人だけ最後の課題が未提出の学生もいましたが、それ以外は全員締め切りを守って提出していました。試験が始まる頃に初めてレポートを書くよりも、入学後に自分で考えて決められた様式で書くためのトレーニングもでき、何より勉強は重要ということを伝えられたことがとても意義深いと感じました。私たちが考えたような言葉ではなく、スポーツに特化した大学スポーツ協会からご提供頂いたテキストというのは、かなり効果的だと感じました。動画も非常にわかりやすかったと思います。

講師を担当した教員も、「スポーツ庁が最初にこのような取り組みを始めて、大学スポーツ協会っていうのが出来て、それがこのテキストだからね」というように「大学スポーツを支援している団体が作ったテキスト」ということを強調されていました。講師の教員の立場と提供頂いた教材とが合わさり「しっかりやらなければいけない」という、動機づけになったのではないかと思います。そういう意味でも、来年もぜひ実施したいと思っています。

名古屋校舎では、直前の1週間前の案内でしたが、対象学生をほぼ全員集めることができました。
愛知大学のUNIVASランキングは60位ぐらいで、卒業後にプロの世界に進む人は何年かに1人ぐらいしか出ていません。学生たちは自主的に運動しながら、きちんと4年間で卒業し、きちんと就職していくという3つの目標を叶えないといけません。猛勉強をしなくても試験前だけはしっかり勉強することや、ポイントを押さえてレポートを書くことなど、筋トレに例えて「同じ筋トレをやるなら、筋力が間違いなくつくようなトレーニングをした方が効率的で良いよね」という話をしました。勉強も時間をかけるだけではなくて、質やレポートの書き方を一度覚えてしまおうという話をしました。
勉強とスポーツをうまく両立していかなければならないという動機付けは、今回の企画によりある程度できたかなというように思います。

 

テキストを用いながら継続して修得単位状況のチェック

■ 指導者との連携はどのように行われていますか。

名古屋校舎については、学外指導者には、勉強の支援についての細かいお願いは事実上難しいので、学生課職員の方で、卒業までの修得単位状況のチェックやバックアップをしていこうと考えています。

スポーツ支援センターが設立されてから、「修得単位数がこれ以下の場合は指導を行う」という基準を作りました。修得単位数が不足する学生に対して、名古屋校舎は学生課職員が面談し、豊橋校舎は、教員に面談をお願いしました。豊橋校舎では、学生課からそれぞれのクラブの部長(専任教員)に、「誰々(部員)の単位が思わしくない」ということを伝えて成績表を渡し、簡単なフィードバックを頂くということをしています。それは今年度以降も学期の成績が出た以降続けていく予定です。今回の説明会で3週に渡ってレポートを課した際は、講師を務めた教員が添削し、各部長にもレポートの内容を確認してもらいました。その際、UNIVASからご提供頂いたテキスト一式も配りました。引き続き、部の方での指導時にもUNIVASのテキストも使うようお願いしています。

今年度からスポーツ特別枠対象部の部長には、今までよりも学修指導や継続した単位の見守りをしてもらう予定なので、引き続きこのテキストを用いながら声掛けしてもらいたいとお願いしています。どの程度の頻度でやって頂けるかは、ある程度教員にお任せになりますが、継続的な取り組みをしていきたいと考えています。

2022年09月27日
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